仮面という話になると思い出すことがある。泣き喚く精神病がある日、体までかぶって発狂死にしたら大変だという心配から、学生演劇のような、新しい演劇をかなりの数立ち上げていったように思う。舞台を目的とすることで、怨みや嫌い抜く猟奇的殺人犯の様相にならないはずだと思ったのだ。仮面を題材とした舞台も有名無名様々にあるように思う。無名から窺い知るミスターチルドレンの舞台に出ていた仮面の少年は、かなり衝撃的であった。顔が出てしまうことが日本人には、ない!と信じていたという。ある時、自分もなのか?顔が出てもなのか?と問いかけられ、顔を叩き潰したのだという。東野圭吾の小説で、娘の顔がわからないよう岩で叩き潰して殺してしまった殺人事件を描いたものがあったが、あんな程度ではないのだという。どんなことで顔が出るのかを細かく調べ、徹底的に顔を叩き潰したのだという。ミスターチルドレンの舞台に硬い木の仮面姿で登場していた。徹底し過ぎた日本人がいかに恐いか。少年一人、たった一人でも震撼とするような話だった。顔というものが出たか出ないか?という話について、面の皮一枚の話じゃないか!と取り合わない形で日本は行き止まっていたのだが。面の皮一枚の話だろうか?
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