住宅購入時の頭金の平均
一般的な住宅購入においては、平均で頭金として1,403.1万円が必要とされています。
具体的には、首都圏では建売住宅の平均価格が5,260.8万円であり、一戸建ての平均価格は約5,000万円程度とされています。
したがって、購入価格の約28%にあたる1,400万円が自己資金として準備されることが一般的です。
しかし、特に若者にとっては1,400万円の頭金を用意することは困難な課題となります。
実際に住宅ローンを組んでいる人の平均年齢も45.0歳(首都圏)や49.0歳(近畿圏)であり、この平均年齢までに頭金を貯めた人が住宅ローンを組んでいることが分かります。
したがって、30代の人たちは頭金の貯蓄が難しいと感じることもあるかもしれません。
ただし、すべての頭金は自己の貯金で賄う必要はありません。
親からの援助を頭金に充てることも可能です。
そのため、住宅購入を考える際には、自身だけでなく、家族の支援や援助を検討することも重要です。
親からの援助が受けやすい頭金と贈与税の関係
通常、他の人から無償でお金や不動産などの財産を受け取る場合、贈与税が発生します。
つまり、親がお金を援助してくれる場合でも、それは贈与に該当します。
しかし、最近では高齢の人々が若い世代よりも裕福な傾向があるため、高齢者の資産を若い世代に円滑に移転させるための政策が実施されています。
その一つが「贈与税の住宅取得等資金の非課税制度」です。
この制度では、住宅購入のための贈与に関して一定の額までは贈与税の対象外となる特例措置が適用されます。
つまり、親が住宅購入のために一定の額までの資金を贈与する場合には、贈与税を支払う必要がありません。
この制度を活用することで、親からの援助を受けやすい頭金を準備することができます。
参考ページ:不動産購入時の自己資金はどのくらい必要?親からの援助もあり?
住宅取得等資金の贈与における非課税の条件と負担対象
20歳以上の子や孫など、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の方が、親や祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、一定の金額までは贈与税が免除されます。
住宅取得等資金とはどのようなものを指すのか
住宅取得等資金とは、以下のいずれかに使用するためのお金を指します。
1. 住宅建築予定の土地の取得費用 2. 新築住宅の購入または建設のための費用 3. 使用されていない新築住宅の購入 4. 中古住宅の購入 5. 住宅の増改築のための費用
非課税の限度額と要件
住宅取得等資金の贈与による非課税の限度額には条件があります。
具体的には、住宅の面積が50㎡以上240㎡以下であることが必要です。
高品質な注文住宅を建てる場合の特例
もし注文住宅を建てる場合で、その負担が上記の条件と同等であり、高品質な住宅を建てるために親から1500万円までの贈与を受けた場合でも、非課税となります。